『かがみの孤城』で2018年本屋大賞を受賞し、再度脚光を浴びている辻村深月さん。
若者の心の機微を繊細に描いた作風により、特に若い世代から多くの支持を得ています。
そんな辻村深月さんの作品もPrime Readingでは無料で読むことができます。
今日はPrime Readingで無料で読める辻村深月さんの本2冊を紹介したいと思います。
※ネタバレは含みませんのでご安心ください。
※当情報は2018年9月13日時点のものです。Prime Readingは無料で読める本の入れ替えが激しいため、無料で読めたものが後日読めなくなっている可能性があります。ご了承ください。
『パッとしない子』
42ページ程の短い本でしたが、非常にメッセージ性の強い本でした。
主人公は小学校の先生。
今は国民的アイドルとなった教え子が番組の企画で母校に来るということで数年振りの邂逅を果たすのですが……
自分も昔はこどもであったはずなのに、大人の我々はこどもの心を忘れてしまっています。
大人にとっては日常に埋もれてしまうような小さな出来事であっても、こどもにとっては生涯にわたって残るくらい大きな出来事であったりします。
私も趣味の競技かるたの関係でこども達と接する機会が少なからずあります。
大人の私の発する一つ一つの他愛もない言葉が、こども達にとっては人生に影響を与えるような大きな言葉、場合によっては割れた鏡の破片のように心に突き刺さってしまう言葉になってしまう可能性がある。
私は大人として責任をもってこども達と接し、未来あるこども達のために貢献できる人間になれるよう日々成長していかなければならない、この本を読んで改めてそれを実感しました。
若い世代だけでなく、もっと上の世代の人たちにも是非読んで欲しい本です。
『ナベちゃんのヨメ』
こちらは24ページと更に短いですがこれも非常にメッセージ性の強い作品です。
仲の良い男友達が結婚することになったのですがその結婚相手がなかなかに変わった人のようで……
これも『パッとしない子』同様、同じ事象でも自分と他人では受け取り方、感じ方、そしてその価値は大きく異なってしまうということがよくわかる本ですね。
もちろん常識というのはものは、無用な争い、いさかいを生まないためにも非常に大事なものです。
ただ時として私たちは思い直さないといけません。
自分が常識と思っているものは本当に世間の常識と合っているのか、そして世間の常識というもの自体がそもそも本当に正しいものなのだろうか。
自分の常識の中で相手を捉えていないか、私たちが常識的に正しいと思っていることでも、彼にとっては正しくないかも知れない、そもそも私が常識だと思っていることは、実は私が常識だと思っているだけで彼らにとっては常識ではないかも知れない。
自分の常識・価値観にとらわれずに物事をふかん的に捉えることで、ふと新たな視点・別の視点があることに気付くことができる、それを教えてくれる本だと思います。