最終更新日:2018年11月23日
仕事や人生で迷った時、大きな悩みに押しつぶされそうになった時、ふと読み直したくなる本ありませんか?
読むと常に新しい発見があり、自分を正しい方向に導いてくれる、そんな「人生の指南書」となりうる本を紹介していきたいと思います。
12冊目は30代の社会人、部下や後輩ができ指導したり人にものを教える立場になった人が必ず読んでおくべきビジネス書の定番!
『人を動かす』です!
目次
どんな人向け?
この本は30代の社会人で、部下や後輩ができ指導したり人にものを教える立場となった方で、
・人にどういう風に教えたらいいかわからない
・丁寧に教えているつもりなのに部下が全然覚えてくれない
・やる気も無いように見える
・叱った方がいいのか、今のご時世は叱らない方がいいのか
・自分なら自分が頑張ればいいけれど、他人に頑張らせるにはどうすればいいんだ
と悩んでいる方におすすめの本です。
最後の悩みに集約されるように、自分のことなら自分が頑張ればいいのです。
しかし他人に何かをやってもらう、やる気を出して頑張ってもらうのは、自分がやるより100倍難しい。
そこで結局、自分がやった方が早いと思って教えるのを諦めたりなおざりにしたりしてしまう。
そういう方はあなたの周囲にもたくさんいると思います。
あなたはそうなってはいけません!
人に教え動かす能力は、社会人として次のレベルに上がるために絶対に必要な能力なのです!
人を動かすためには技術が必要です。
その技術を学んで実践することにより、あなたは更にその上の、大勢の人間を動かす立場の人へと成長していくことができるのです。
※人を動かす技術は部下を育てる以外にも使えます。
経営者の方、営業マンの方、教師、子供を持つ親御さんにも自信をもってオススメできます。
どんな内容なの?
この本にはズバリ、人を動かすための極意が36個書いてあります。
それぞれに具体的なストーリーが添えられているので読みやすく、いかにその極意が人を動かすのに適しているか、頭の中に入ってきやすいのも本書の特徴です。
当記事でも後ほどいくつか紹介しますが、どの極意にも共通するのがまず相手の欲求を満たすことに注力していること。
・まず相手をほめる
・まず相手を認める
・まず相手にしゃべってもらう
などなど。
従前のやり方:
・できないことを叱ったり
・ミスを指摘したり
・相手の言葉を否定したり
などは、実はまったく適したやり方ではなかったことがわかります。
もちろん怒られたすぐ後なら人は従うかも知れません。
しかし、しばらくするとまた同じミスを繰り返すようになってしまったり、その上司がいなくなったら元に戻ってしまったり等、長期的にみると成功しないことが多々あります。
人を動かすには、その人の深層心理から変えていく必要があります。
深層心理を変えていくには外部からの力ではなく、その人自身が自ら変わっていこうとする内部の力を上手く刺激してやる必要があるのです。
それではいくつか極意の具体例をみていきましょう。
極意(1)盗人にも五分の理を認める
引用元:『人を動かす』(デール カーネギー,山口 博 創元社) P4
世紀の大犯罪者でも自分が悪いと思っていない。
これは恐ろしいことですが事実です。
「社会が悪い」
「育った環境が悪い」
「俺は悪くない」
と自分が100%悪いわけではないと必ず言うようです。
大犯罪者ですらそうなのですから、普通の人が「自分は悪くない」と思っているのは当然のことですよね。
部下が何かミスをした時でも、頭ごなしに叱るのはやめましょう。
まず部下の言い分を聞いて相手の立場に共感することが重要です。
その上で、
「状況はわかった。でも、そんなミスをするなんて君らしくないね」
と言いましょう。
「君らしくないね」素晴らしい言葉です。
本当の君ならそんなミスはしないはずだ、という期待がこめられています。
人は「○○が苦手だね」と言われるとそれができなくなってしまいますが、「○○が得意だね」と言われると不思議とそれができるようになってしまうのです。
君ならそんなミスはしないはずだよ、と期待を込めた後に、今後ミスを無くすにはどうすればいいのか、具体的な方法を本人に考えてもらうようにしましょう。
極意(2)しゃべらせる・思いつかせる
引用元:『人を動かす』(デール カーネギー,山口 博 創元社) P172,P179
上の章の最後でも述べた通り、ミスを無くすための具体的な改善策はこちらが指示するのではなく、本人に考えさせてそれを話してもらうようにしましょう。
思いつかないのであれば、ヒントや選択肢を提示してみて、最終的には本人が自分の意志でそれを選んだようにするのです。
人を動かすには外部からの影響ではなく、その人の内部から自ら湧き出る力によって変わってもらわなければいけません。
「一貫性の原理」というものがあります。
人は自らの意志でやると言葉にした行動については、社会的評価を損ねないためにも遂行しやすいという特徴があります。
会社にて目標設定を各個人にさせるいうのもまさにこの効果を狙ったもので、自分で決めて公言した目標は上から一方的に課せられた目標より達成しやすいのです。
これは人に教えるだけでなく自分にも使え、私もやると決めたことは同僚に公言するようにしています。
こうすることで人に言ったんだからやらないと恥ずかしい、という思いが強くなり自然とやるようになるのです。
部下に何かやってもらう時も、一方的に命令してはいけません。
それをやることの意義や理由を説明し、「そういうことなら喜んでやります」と本人の意志で決定したようにすることが必要でしょう。
極意(3):面子をうしなわせない
引用元:『人を動かす』(デール カーネギー,山口 博 創元社) P231
部下を叱る時に周りに人がいるところで叱る上司がいますが、これはよくありません。
叱っている上司は周りの目を使うことで部下を矯正しよう思っているのでしょうが、全くの逆効果です。
人前で叱ることは自己劣等感を相手に植え付けます。
自己劣等感は人の成長を阻む最大最悪の因子です。
絶対に部下に自己劣等感を植え付けてはいけません。
どんな人にもメンツというものがあります。
それは会社に入ってきたばかりの新人でも同じです。
どうしても叱らなければいけない時は、個室や人のいないところで叱るようにしましょう。
逆に、褒める時は大いに人前で褒めましょう!
私も後輩や同僚の良いところは人前でどんどん褒めたり宣伝するようにしています。
周囲の目をこのように使うことにより、褒められた人はその評価を損ねないよう更にその能力を伸ばすようになるのです!
ちなみにこのメンツ、部下だけでなく上司にもあるので注意です。
会議や商談中、黙って聞いていた上司がふいに少し的外れなことを言ったりすることありますよね。
これも、
「上司なのだから、何か言わなくてはいけない」
というメンツがさせていることなのです。
こういう時も的外れだからって邪険に扱わずに、しっかりとメンツを立ててあげましょう。
相手のために何かすることが、最終的には自分に返ってくる
ここで紹介したものは36個ある極意のうちのほんの一部です。
今回は部下を育てることに重きをおきましたが、この本にはそれ以外にも、
・営業マンがもっと売上をあげる方法
・人に好かれる方法
・夫婦仲を良くしていく方法
など、様々な人を動かす技術が紹介されています。
どの極意にも共通することは、相手の立場にたって、自分がして欲しいことを押し通すのではなく相手が喜ぶこと、相手のためになることをすること。
「情けは人のためならず」
相手にしてあげたことは最終的には自分のためになって返ってくる、ということわざです。
相手のためになることをするのが、少し遠回りに見えても最終的には自分の目的を達成するための一番の近道なのです。
あなたも『人を動かす』を読んで、早速明日から部下の指導方法を改善することで、部下も成長してあなたも成長する、そんな素晴らしい成果を上げてみませんか?
デール・カーネギー先生のもう一つの名著『道は開ける』を知りたい方はこちらをどうぞ。
他のビジネス書の書評が気になる方はこちらの記事をどうぞ。