最終更新日:2018年11月23日
【アドラーの教えは本来優しさに満ち溢れているものなのですよ!】
嫌われる勇気。
この言葉だけが日本では先行してしまっている感じですが、アドラーの教えは本来冷たいものではありません!
「自分に自信がない」
「新しい自分に生まれ変わりたい」
「あと一歩踏み出す勇気がない」
そんなあなたの背中を強く、しかし優しく愛をもって押してくれるのがアドラー心理学なのです!
『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』
日本で流行したこの本も、実は「嫌われる勇気」が出てくるのはほんの一部。
最後まで読めばいかにアドラーの教えが温かさに満ちているかがわかります。
タイトルの過激さで距離をおいてしまったあなた、是非この本を読んでみてください。
「自分を変える勇気」をどうやったら手に入れられるのか、アドラー先生があなたに優しく教えてくれますよ。
目次
この本のここがすごい!
(1)そもそもアドラーさんがすごい!
今でこそ有名になったものの、この本が出るまではアルフレッド・アドラーは日本ではほぼ無名でした。
でも世界的には、フロイトやユングと並ぶ心理学界の三大巨匠と言われるくらいの有名な人物。
あの名著『人を動かす』のデール・カーネギーや『7つの習慣-成功には原則があった!』のスティーブン・R・コヴィーにも影響を与えた、自己啓発の源流とも言われる人なのです。
アドラーは1870年オーストリアで生まれ、医師・教師のキャリアを経る中で心理学者となりました。
児童相談所を設立するなど、特にこどもの教育や健康に関する事柄に力を注いでいたそうです。
アドラーは心理学の力で世界をより良くすることができると思っていました。
その彼の心の温かさが、読んでいて強く伝わってくるのもこの本のすごさなのです!
(2)対話形式で読みやすい!
この本は全編が、アドラー心理学を極めた哲学者と、自分に自信がない青年との対話形式で書かれています。
青年は言います。
「人は変われない」
「自分は劣等感のかたまりだ」
「他者からの評価は怖い」
それに対し哲学者は、青年と議論を続けながら、
「人は自ら変わることができる」
「あなたは劣等感のかたまりではない。劣等感のかたまりだと思うことで動かない理由付けをしているだけだ」
「他者からの評価は気にしなくていい。他者に貢献することさえ忘れなけばいい」
というアドラー心理学の教えを優しく説いていきます。
私達の抱くであろう疑問を青年が代わりに口にしてくれることで、ただ単に教えられるよりも深くアドラー心理学を理解することができるのです。
(3)あなたの常識を書き換えてくれるところがすごい!
この本には、私達が思っている常識とは正反対のことが書かれています。
例えば引きこもりの青年がいたとしましょう。
その場合、
「彼は不安だから外に出られない」
というように、感情の次に行動が起こると思うのが私達の常識です。
アドラー心理学では違います。
「外に出たくないから、不安という感情を作り出している」
感情が先ではなく、行動するための理由として感情を後付けしているだけなのです。
感情は出し入れ可能な道具に過ぎない。
その証拠に、親はこどもをに対し怒っている時も、来客があれば笑顔で接し、その後すぐにまた怒ることができます。
行動の理由付けのために後付けされているのは、感情だけではありません。
あなたの持つ劣等感も、トラウマも、「他人に嫌われたらどうしよう」という不安「この上司には何を言ってもだめだ」という負の感情も、すべてあなたが"行動しない"ための後付けの理由に過ぎないのです!
さぁ、まずは行動しましょう!
そのためにアドラー心理学はこう背中を押してくれます。
まずはあるがままの自分を受け入れること
あるがままの自分を毎日少しずつ成長させること
そして最後に、「私は誰かの役に立っている」という主観的な感覚、すなわち「貢献感」を持って行動をすること。
「幸福とは、貢献感である」
引用元:『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』
(岸見 一郎,古賀 史健,ダイヤモンド社) 253P
「自分を変える勇気」を持つには、負の感情が"行動しない"ための後付けのものだと知り、あるがままの自分を受け入れた上で、自分が"他人に貢献している"と思える行動を自信をもって行えば良いのです。
そして「貢献感」を持つことが、最終的にはあなたの「幸福」に繋がるとアドラーさんは教えてくれているのです。
総評
【オススメ度】★★★★★
【感想】やっぱりアドラー心理学は優しい!頑張ろうって気になる!
自分に自信が無い方、自分を変える勇気が欲しい方は是非この本を読んでみてください!
優しいアドラーさんがあなたの背中をそっと押して踏み出す勇気を与えてくれますよ。
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