【全ての一流がやっている最高の練習法とは?】
あなたは「限界的練習」をご存知ですか?トップアスリートや一流バイオリニスト、チェスのグランドマスターなど、全ての一流が行っている「限界的練習」。
ただただ長くやるだけではダメ。あなたを限界を超えて成長させる「限界的練習」。
今回はそんな「限界的練習」ががっつり丸々一冊書かれている名著『超一流になるのは才能か努力か?』(K・アンダース・エリクソン, 文藝春秋)を紹介します。
目次
限界的練習とは?
限界的練習とは著者であるK・アンダース・エリクソンが名付けた人を限界を超えて成長させる練習法です。多くの一流アスリートやミュージシャンがこの練習法を取り入れています。
1.ただ長くやるだけでは意味がない
「1万時間の法則」という言葉があります。どんな分野でも1万時間練習すればその道のプロになれる、という法則です。
「限界的練習」ではこれを明確に否定します。ただ1万時間練習を行うだけではあなたは成長しません。それどころか、20~30年の経験のある医師は2~3年の経験しかない新人医師に能力で劣るという報告もあるくらいです。
ダラダラとただ続けるだけの練習では、成長するどころか逆に人を退化させる可能性すらあるのです。
2.常に自分の能力を少しだけ超える負荷をかけ続ける
「限界的練習」の極意はただ一つ。自分の能力を少し超える負荷を常にかけ続けることです。自分ができる、と思うところよりももう一段階きついことに常に挑戦し続けるのです。
これは口で言うのは簡単ですが実際に行うのは非常に難しいことです。
人は自分が苦にならないところに居続けよう、その範囲でやり続けようとする性質があります。自分が苦にならない範囲のことを「コンフォートゾーン」と言い、多くの人はこの範囲から抜け出そうとしません。スポーツでもビジネスでも、日常生活でもそうです。人間は変化を嫌います。この「コンフォートゾーン」から抜け出す行為は、苦痛を伴うのです。
限界的練習とはこの「コンフォートゾーン」を少しだけ抜けた練習を常にやり続けることです。少しだけ、というのがポイントです。「コンフォートゾーン」を大きく出過ぎると心的負担が大きすぎ、人は練習が続けられなくなります。反対に「コンフォートゾーン」から出なさ過ぎてもいけません。アマチュアは練習後に楽しかったと感じます。これは「コンフォートゾーン」を抜けていない練習で、残念ながら効果的な練習にはなっていません。ただダラダラと続けているだけです。限界的練習をしているプロは楽しかったと思いません。苦痛がなければ「コンフォートゾーン」を抜けた効果的な練習になっていないからです。
3.壁にぶつかったらやり方を変えてみる
限界的練習を行っていると、どうしても突破できない壁にぶつかる時があります。そういう時はやり方を少し変えてみたり、あえて難易度を何段階も引き上げたものをやってみたりします。そうすると、普段ミスしないところでミスが生じたりするのにあなたは気付くはずです。そう、それが今あなたのボトルネックになっているところ。それがわかったら後はその弱点を少しずつ克服していくような練習をしていけば良いのです。
壁にぶつかった時の解決法はもっと練習するではありません。ちょっと変えてみる、なのです。
4.才能は関係ない、練習量だ
とはいえやっぱり才能が大事なんでしょ、という人もいるかも知れません。いいえ!才能は関係ありません。
ちょっと面白い研究を紹介させてください。チェスプレイヤーと一般人のIQを比べると、チェスプレイヤーのIQの方が平均的には高いです。それは納得ですよね。でもチェスプレイヤーの中だけで比べると、IQが低い人の方がチェスの腕が良いことがわかったのです。この秘密の答えはこれです。生まれつきIQが高い人はチェスに向いていると思われため、周りや両親に勧められてやるようになります。でも周りがチェスプレイヤーばかりになると、IQが低い子は最初はIQが高い子に負けてしまう為、その分たくさん練習するようになります。その練習量の差が最終的なチェスの腕前を決めているのです。すなわちIQが高いからチェスに向いているという考え方自体が、そのそもナンセンスだということです。
才能は最初のモチベーション維持には関係するかも知れません。でもその後は、あなたが成長できるかどうかは限界的練習をやり続けられるかどうか、それにかかっているのです。
総評
【有用度】★★★★★
【科学的根拠】★★★★☆
【実践的】★★★★★
【読みやすさ】★★★☆☆
【総合評価】★★★★★
あなたを限界を超えて成長させる「限界練習法」のやり方ががっつり書いてある本書。これを読めばあなたの練習に対する概念がガラッと変わるはずです。ぜひあなたもこれを読んで、仕事や趣味、勉強、子育てにあてはめてみてください。