フランスのミステリー作家、ピエール・ルメートル。2015年に「このミステリーがすごい!」海外翻訳部門第1位をとった『その女アレックス 』を知っている人も多いかと思います。
ルメートル氏の著作は『その女アレックス 』以外も邦訳されており、その読者の予想を裏切る展開で多くの読者を魅了しています。
そんなミステリーの奇才、ピエール・ルメートル氏の著作で私がオススメの3冊を紹介します。
(ネタバレは含みませんので、未読の方もご安心ください)
1位:『死のドレスを花婿に 』
2位:『その女アレックス』
読者の予想を裏切って裏切って裏切りまくって、混沌の渦に叩き込む。
そんな気分を味わいたいなら『その女アレックス 』はとてもオススメです。
私も初めて読んだ時は、え、うそ、どういうこと?これどうなんの?っという形で驚きっぱなしでした。1P先の展開もわからない、だからページをめくる手が止まらない。
そんな風に読者を虜にしてしまう非常に魅力的な作品です。
ただ惜しむらくは、展開がすごくなりすぎて、ラストの着地をちょっとミスってしまっていること。読了後は楽しかったなぁと思うものの、ラストが微妙だったなぁ感はどうにも拭えない感じです。
とはいえエンターテイメント小説としては存分に楽しませてくれる作品ですので、ミステリー好きなら読んで損はない1冊です。
これを読んで主人公のカミーユ・ヴェルーヴェン警部が好きになった方は、ぜひ『その女アレックス 』の前作の『悲しみのイレ-ヌ』や続編の『傷だらけのカミ-ユ』を読んでみましょう!
3位:『天国でまた会おう』
ピエール・ルメートル氏はミステリー以外も書いており、それがこちらの『天国でまた会おう』です。
『その女アレックス 』のようなどんでん返しや、読者を裏切るような展開はありません。
ただ第一次世界大戦後の荒涼としたヨーロッパ社会と、その犠牲となった若者達のやるせない心情は大いに伝わってきました。『その女アレックス 』や『死のドレスを花婿に 』と同様に、弱者に視点を置き弱者の姿とその強さを描くというルメートル氏の想いが込められているのがよくわかります。
『その女アレックス 』や『死のドレスを花婿に 』を読んでピエール・ルメートル氏にはまったミステリー好きの方、ミステリーではありませんがぜひ『天国でまた会おう』を読んでみて欲しいと思います。
ちなみに『天国でまた会おう』の続編で『炎の色』が出ていますが、こちらは微妙なので私的には読まなくてもいいかなぁと思っています。