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ストレスマネジメントならこの本!『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』【書評45冊目】


【ストレスは悪いものではないのです!】

 昨今、企業ではストレスマネジメントという言葉が流行っています。

仕事をしている以上、どうしてもストレスは避けられない。

そんなストレスとの正しい付き合い方を教えてくれるのがストレスマネジメントです。

 

今日はそんなストレスマネジメントに興味がある方や、自分自身のストレス対策もしたいという人にぜひ読んでもらいたい本を紹介したいと思います。

 

それが『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』!(ケリー・マクゴニガル,大和書房)

 

 
この本のすごいところは、あなたのストレスに対する考え方を180度変えてくれること!
ストレスは身体に悪いもの、できるだけ減らした方がいい。
あなたはそう思っていませんか?
私もちょっと前まではそうでした。
しかしこの本を読んだ後、あなたはストレスは悪いものではなく、逆に必要なものなのだと気付くはずです。
 
目からウロコの事実にびっくりすること間違いなし!
ぜひあなたもこの本を読んで、正しいストレスマネジメントができるようになってみてください!

目次

 

ストレスマネジメントならこの本!『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』


この本には、あなたが社員や自分自身のストレスマネジメントを行うに当たり、とても役立つ最新の科学的研究が多く紹介されています。

それらの研究から得られた事実は、どれもあなたのストレスに対する考え方を180度変えるものばかり。

今回はその中から、特に私が衝撃を受けた事実を3つ紹介したいと思います。

 

1.「ストレスは体に悪い」と思っている人にだけ悪さをする

ストレスは確かに体に悪影響を及ぼします。

アメリカの研究で約3万人を調査した結果、強度のストレスがある人は死亡リスクが43%も高まっていたことがわかりました。

しかしこの現象、「ストレスは健康に悪い」と回答していた人達は死亡リスクが上がり、「ストレスは健康に悪い」と回答していなかった人達は、なんと強度のストレスがあっても死亡リスクは上がっていなかったのです!

 

実はストレスホルモンには2つの種類があります。

コルチゾールとデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)です。

 

「ストレスが体に悪い」と思っている人達の体内ではコルチゾールが多く分泌されます。

コルチゾールは体や脳のエネルギーを活発化させる力がありますが、反対に消化や生殖・成長など危機の際に必要でない活動を抑える効果があります。

短期間なら大丈夫ですが、長期間コルチゾールが出てしまうと、免疫機能の低下やうつ病などの症状が見られます。

 

「ストレスは悪くない」と思っている人達の体内ではDHEAが多く文筆されます。

DHEAは脳が成長をするのを助け、コルチゾールの作用を抑制し、免疫機能を高める効果があります。

DHEAは長期間出ていると、逆に心臓病やうつ病のリスクが低下する傾向が見られます。

 

ストレス自体は体に悪さをしません。

「ストレスは体に悪い」と思っていることが悪いのです!

 

この事実を知るためだけにこの本を読む価値があると私は思います。

2.ストレスには3つの反応がある

最新の研究では、ストレスに対する私達の反応は主に3種類あることがわかりました。

①闘争・逃走反応

あなたがストレス反応と聞いてイメージするのがこれです。

心臓がドキドキし、汗が噴き出たり、呼吸が速くなったりします。

脳と体にエネルギーを送り、目の前のストレスに対して全力で戦うか、もしくは全力で逃げるかの状況に備えます。

「火事場の馬鹿力」もこれに当たります。

短期的には良い効果をもたらしますが、長期的にこのような状況が続くと脳も体も疲れてしまいます。

②チャレンジ反応

ストレスに対して、あなたが恐怖を感じていない時に起こる反応がこれです。

心拍数が上がり、気分が高揚し、脳と体にエネルギーが送り込まれます。

集中力も高まり、いわゆる「フロー」状態になります。

学生が受けるテストも、落ち着いた状態よりも、ある程度のストレス下でチャレンジ反応が起きている状態で受けた方が成績が良くなるという研究結果もあります。

②思いやり・絆反応

ストレスを受けている時は自分本位になって、他人に優しくできない?

いえいえ、そんなことはありません。

この反応においては、別名「愛情ホルモン」と言われるオキシトシンが分泌され、社会との繋がりを求め、他人への思いやりや共感能力が高まります。

元々は危機下において、親が子を守るために生まれた反応です。

そのためこの反応が起こると、勇気に満ち溢れ、体が動かなくなったり逃げ出そうとしたりするのを防ぐことができるようになります。

「もっとも苦しんだ人が、もっとも人を助ける」

辛い戦争や事故、自然災害の中でも助け合いの精神が生まれるのは、まさにこの反応のおかげなのです。

 

これら3つの反応のうちどれが出るかは、遺伝的要因もありますが、環境要因も強いです。

幼い時に命に関わる病気を患った人は、③の思いやり・絆反応が出やすくなります。

人に助けを求めることに慣れているからですね。

逆に幼い時に虐待などを受けた人は、①の闘争・逃走反応や②のチャレンジ反応が起きやすくなります。

 

①②③のどれが出るかはあなたの気の持ちようによっても変わります。

「ストレスは悪いものではない」「自分ならこのストレスを乗り越えられる」と思っている人は②のチャレンジ反応が出やすくなります。

 

ストレスには3つの反応があることを覚えておけば、あなたのストレスマネジメントにも大いに役立つはずです。

 

3.ストレスが無いと不幸になる

とはいえ、ストレスはやっぱり無いなら無い方がいいのでしょうか?

実はこれも違うことがわかったのです。

 

2005~2006年に世界121か国、約12万人を対象にした研究では、ストレス度指数が高い国ほど、国民の幸福度や人生への満足度が高いことがわかったのです。(GDPが高く、平均寿命も長い傾向も見られました。)

ストレスが多い国では、落ち込みや悲しみ、不安を感じる傾向がありましたが、同時に喜びや愛情を感じる傾向も強いことがわかりました。

ストレスを受けた人は、②のチャレンジ反応によって生きがいを感じたり、③の思いやり・絆反応によって人々との繋がりを作ったりします。

それが結果として、ストレスが人々を幸せにすることに繋がっているのです。

 

生活が退屈だと感じている人は、心臓発作で死亡するリスクが2倍高くなるという研究結果もあります。

ストレスが何もない退屈な生活よりも、ストレスがあっても有意義な生活の方が、あなたを健康で長生きさせ、そして幸せにすることができるのです。

 

総評


【有用度】★★★★★

【科学的根拠】★★★★★

【実践的】★★★★★

【読みやすさ】★★★☆☆

【総合評価】★★★★★

 

上記のようにこの本は、あなたが会社や個人的にストレスマネジメントをする上で有用な事実が多く紹介されています。

読むだけであなたのストレスに対する考えが大きく変わり、ストレスと上手に付き合っていけるようになるはずです。

世界中の人々がこの本を読めば、多くの人が救われると私的には思っている最高の一冊ですので、ぜひ読んでみてください!


 著者のケリー・マグゴニガル先生はこれ以外にも『スタンフォードの自分を変える教室』という素晴らしい本を出していますので、ぜひこちらも読んでみてください!

 

当ブログでも記事や動画で紹介しています。

www.konokoneko.com

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