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指示待ち人間の部下を自ら動く優秀な部下に変える4つの方法

最終更新日:2018年11月23日

管理職の皆様、自分の指示がないと動かない、自分の頭で考えない、そんな指示待ち人間の部下に困っていませんか?

 

自分が細かく指示を出さないといけないので一向に自分の仕事が減らない何か問題があると解決策も持たずにただただ相談にくるので、一から全部考えてあげなければいけない、そういう部下の対応に困っている上司の方、多いと思います。

 

新社会人がちょっと前に所属していた学校では、先生に言われたこと親から言われたことさえできていれば問題ありませんでした。

大学では自主性を求められるものの、自主性がないからといって特に困ることはありませんでした。

 

そんな新社会人が会社に入るといきなり自主性を求められるわけです。

できる新社会人は自ら自主性の重要さを知り自ら身に着けていきます。

そうではない新社会人は、良い上司や良い先輩同僚に恵まれれば、自主性を身に着けていくことでしょう。

 

しかしそのような素晴らしい環境に恵まれなかった社会人は、30代,40代になっても自主性を持てず自ら動くことができない社員になってしまうのです。

(良い上司や良い先輩・同僚に恵まれる、そんな環境の方が実際まれでしょう!)

 

そんな社会人になって半人前の20代や、自主性を身に着け損ねた30代、40代の指示待ち人間があなたの部下になった時、あなたはどうすれば良いのか?

どうやって自主性を身につかせ、自ら動く優秀な部下に変えれば良いのか、今日は4つの方法をお伝えしたいと思います。

 

目次

そもそも自主性を発揮しやすい環境か?


まず部下がどうこうという前に、今の環境が本当に部下が自主性を発揮しやすい環境なのかを考えてみましょう。

 

例えば上司に毎回細かいことまで報告するルールになっている。

何をやるにも上司の許可が必要(しかもだいたい許可してくれない)。

上司に意見を言っても論破される

 

こういう環境で部下の自主性が身につくでしょうか?

身につきませんよね。

 

新人や後輩達は、先輩と上司のやり取りをよく見ています。

先輩が細かいことまで報告しないと怒られていたり、何をやるにもまず上司のお伺いをたてたりするところを見ていれば、新人や後輩は上の意見を聞くだけになって自主性は身につきません。

 

またよくあるのが上司と先輩で意見が食い違った時

この手の問題は、正解が一つではなく二つ以上ある時に起こりがちです。

正直どっちでも正解でしょ、という場面なのに、上司がかたくなに自分の意見の方が正解だと言い張って先輩を叱責するのです。

こういうことが度々あると、その環境では一気に自主性が育まれなくなっていきます。

 

あなたが上司なら、まずそういう環境を一変させましょう!

報告は重要です、でも極力少なくても済むようにしましょう。

部下が上司の許可なくできることを増やしましょう!

 

最初は失敗するかも知れません。

リスクもあるかも知れません。

でも変わるためには必要なコストです。

上司は部下を論破してはいけません、部下に論破されるのがあなたの仕事です。

部下にがあることをまず認め、明らかに間違っているところのみ上手く気付かせ、基本的には部下の考えたことの通りにやらせてみましょう!

 

まずはこのように部下が自ら動きやすい環境に変えてから、今度は指示待ち人間の部下を変えていきましょう。

(1)とにかく質問する


指示待ち人間の部下にはとにかく質問をするようにしましょう。

 

部下が自分の考えもなしに相談に来た時は、すぐ答えを教えるのではなく、

「○○さんはどうすればいいと思う?」

とまず部下の考えを聞くのです。

すぐに出ないようなら一度、

「ちょっと自分で一度考えてみて、考えがまとまったらもう一度来てくれる?」

と言いましょう。

 

とにかくまず一度、自分で考えさせる習慣を付けさせるのです。

上司と話す時は自分の意見を持ってから、そういう意識を部下に持たせるのです。

これがまず指示待ち人間から脱却させる第一歩です。

 

それで、部下が良くても悪くても解決策を自分なりに考えてきたのならまず、

「なるほど、そういうやり方もあるね」

ほめましょう

部下が解決策を思いつかなかったとしても大丈夫です。

一度自分で考えた、この事実が重要なのです。

 

その後は部下に解決策を提示するのですが、この時も、

「それはこうすればいいんだよ」

と言わず、

「その場合はこうすればいいと思うだけど、これで解決できるかな?ダメそうだったら遠慮なく言って」

とここでも更に質問するのです。

こうすることで部下は上司から提示された解決策が最適か更に自分の頭で考えます

大丈夫であれば、

「それでいけると思うのでやってみます」

と言ってくれるでしょう。

大事なことは上司が言ってやらせたのではなく、あくまで部下が自分で決めた、という意識を持たせることです。

これで部下の自主性は更に磨かれます。

 

解決策を提示して考えさせた時、

「それだと……○○が心配です」

と言ってくれる場合があります。

そういう場合の○○は大抵が相談の時に部下が上司に伝え損ねている大事な事柄です。

こういう伝え忘れに気付くことができるのも質問の良いところです。

 

部下から相談を受けた場合以外にも、質問はあらゆるところで使うようにしましょう。

例えば部下の報告を聞いている時、ちょっと対応が良くなかったところがあったとしましょう。

そういう時はまず報告を全て聞いた後、

「報告ありがとう。よくわかったよ。ちなみに○○さんはこの時、どういう理由でこういう対応をしたの?」

と聞きましょう。

理由を聞く、とても素晴らしいことです。

これにより部下がその時どういう考えでその行動を取ったか知ることができます。

考えなしになんとなくでその行動を取っていたのであれば、そこをいさめるため、

「そこはこういう理由でしっかり考えてから動くべきだったと思うけど、○○さんはどう思う?」

質問をするのです。

 

質問をすることによって自分で考える習慣をつけさせる、これが指示待ち人間を脱却させる第一歩にして大きな一歩なのです。

(2)とにかくほめる


指示待ち人間を脱却させるためのもう一つの大きな一歩は自信をつけさせること。

これを可能にするのがとにかくほめることなのです。

 

部下が何かちょっとでも良いことをしたらほめるようにしましょう。

 

例えば資料の提出を締切より早めに出した場合は、

いつも早いね、ありがとう」

という言うのです。

この時、

「今回は早いね」

と言ってはいけません。

これでは普段資料提出が遅いということになってしまいます。

いつも早いね、と言うことで部下は自分は資料提出が早いんだと認識し、その自己認識に合うように自然と資料提出が早くなっていきます

 

またほめる時は周りの人にも聞こえるように言いましょう。

自己だけではなく周りにも認識させることによって、さらに本人は資料提出が早くなるようになります。

(いわゆる「鏡映的自己」、他者からどう見られているかという評価に合わせて自己を形成していく、という心理学の概念ですね)

 

相手を認めることもほめるのと同じ力があります。

 

部下が自分の考えを伝えて来たら、それが間違っているものであっても否定せず、

「なるほど、そういう考え方もあるんだね」

認めます

 

時には大胆に、30%くらいしか正しくなくても、失敗による被害が大きくない場合は、部下の考えを採用してみるのも良いでしょう!

自分の意見も通るんだと部下が認識してくれれば、どんどん自分から考えを伝えてくれるようになるでしょう。

 

ほめられる、認められることによって部下は自信をつけます。

これが自ら動く原動力になっていくのです!

(3)理由を与える


こちらから部下に何かやってもらいたいことがある場合は、必ずなぜそれをやるのかという理由も一緒に与える、もしくは一緒に考えるようにしましょう。

 

上司にも更にその上の上司がいるわけで、そこから降ってきた仕事を部下に振り分ける際、

上からの命令だからよくわからないけどとりあえずやって」

と言うだけでは、当然部下は育ちません。

 

上司も上からの命令の意図を正しく理解し、それをやる理由を部下にもわかりやすくかみ砕いて説明することが必要です。

やる理由さえ共有できれば、部下はしっかりとやる気をもってやってくれます。

また理由さえわかっていれば、

「ここはこうすればもっと良いのではないでしょうか?」

と自分から改善案を出してきたりもします。

 

仕事は何をやるにも機械的にではなく理由を紐づけてから。

そうすることによって部下は自らの頭を使って仕事をしていくことを覚えていくのです。

(4)重要感を与える


指示待ち人間の部下を変える最後の方法は、重要感を与えることです。

すなわち部下が、自分の仕事が重要で何かの役に立っているんだ、という認識を与えることになります。

 

私がよく新人に使うのは、

新人だからこそやって欲しい!」

という言葉です。

 

うちの会社では新しい情報を仕入れてくると全社員に展開する掲示板があるのです。

ただしそこは奥ゆかしい日本人のサガなのか、書き込むのは少数のベテランだけ。

大抵の情報は、同じグループ内だけで共有してそれで終わりにしてしまっているのでしょう。

 

そこで私は新人に、

「新人だからこそ書き込んで欲しい。『新人でも書き込んでいいんだぞ!新人が書いてるのにベテランは書かないのか?』というメッセージになると思うんだよ。それを君にやって欲しいんだ」

とお願いして書いてもらっています。

 

これは別に新人にしか使えない訳ではありません。

どの役職にも、自分の役職より一個上の仕事を頼んでやってもらう時に同じ言い方をすればいいのです。

 

重要感を与えることは部下に大きな自信を与えます。

この大きな自信が指示待ち人間から自ら動く部下へと成長するためのカンフル剤となるのです!

部下を変えるよりまず自分が変わろう!


質問をする

ほめる

理由を与える

重要感を与える

 

これにより部下は自らの頭で考えることを覚え、そして大いなる自信をつけます。

そうすればあとは、環境さえ問題なければ指示待ち人間だった部下は自ら動く優秀な部下へと変貌しているはずです。

そう、環境さえ問題なければ、です。

指示待ち人間が多くて悩んでいるという上司の方は、いま一度、自分の職場が自主性を発揮しやすい環境か見直してみてください。

 

それがもし厳しい環境で、しかも自分のせいではなく会社全体の風土であったなら、あなたが変えていくべきなのは部下ではなくまずその風土でしょう。

会社の風土を変えるのは難しいかも知れません……

でも「仕事は楽しいかね2?」の著者、デイル・ドーデンは本書内でこう語っています。

 

優れた上司は、常にお役所的な体制と戦っている

引用元:『仕事は楽しいかね?2』(デイル・ドーテン, きこ書房) 24P

 

部下が自ら動ける環境を提供できるように、上司自身も部下と同様に変わっていく必要がある、ということです。

 

人を変えるのは自分を変えるより何倍も難しい。

でもこれは我々社会人が、人として成長していくために必ず通らなくてはいけないステップだと私は思うのです。

 

あなたも是非上記の4つの方法を試して、指示待ち人間の部下を自ら動く優秀な部下に変えて、職場をもっと活気あるものにしてみませんか?