最終更新日:2018年11月23日
コミュニケーション能力って何だろう?
相手とすぐ仲良くなれる人もいれば、仲良くなるには時間がかかるけどいったん仲良くなると強い信頼関係を結べる人もいる。
話すのが上手い人もいれば、聞き上手の人もいる。
暗い職場もあれば、明るい職場もある。
これらを決める要素こそがコミュニケーション能力なのですが、じゃあ一体コミュニケーション能力とは何なのか、それを高めるにはどうすればいいのか。
今回紹介するのは『信頼関係と動機づけの基礎: 実践!チームマネジメント研修① 実践シリーズ』。
私の大好きな「実践シリーズ」です。
この本にはコミュニケーション能力の正体とそれを高める方法がわかりやすく書かれています!
早速どんな本か見てみましょう。
目次
どんな人向け?
この本はもともとは管理職の方向けに、部下と上手くコミュニケーションを取るための方法が書かれているものです。
ところがこの方法、上司と部下だけでなく、得意先や取引先、同僚、友人、家族、すべての人とのコミュニケーションに使うことができるのです。
コミュニケーションで悩んでいる方:
・顧客と上手く話せない
・人と仲良くなるのが苦手
・妻との会話がうまくいかない
コミュニケーションは苦手じゃないけどもっと能力を高めたいという方:
・顧客にもっと気に入られて数字を伸ばしたい
・いろいろな人と知り合いになりたい
・チームの雰囲気を良くしたい
こういう方々におすすめできる1冊になります!
実際の研修を元にした半小説形式で書かれているので読みやすく、また受講者の一人になりきってまるで本当に研修を受けているような気分になれるので、内容が頭に入ってきやすいのも良いところです。
ストロークをセルフコントロールする
心理学用語で「ストローク」というものがあります。
これは相手に対して投げかける全ての言動のことを意味します。
例えば、
・「おはよう」などの挨拶
・「どうしたの」などの声掛け
・話をしている時の表情
・話をしている時の態度
これらすべてが「ストローク」です。
ストロークには大きく分けて2つの種類があります。
肯定的ストローク:相手と良い関係を築ける
・「おはよう」などの挨拶
・笑顔を向ける
・(親しい人と)抱擁する
・共感する
・褒める
ディスカウント:相手と悪い関係になる
・悪口
・嘲笑
・手を出す
・否定する
・怒る
肯定的ストロークで非常に効果が高いものは「相手の話を聞くこと」。
逆に強力なディスカウントは「無視」になります。
相手の話を聞く際に、
・相手の目をしっかり見て
・体ごと相手に向けて
・相手の話に耳をしっかり傾けて
・適切な相槌をうって
・まずは否定しないで共感する
これらを行える人は相手に強い肯定的ストロークを与えられるため、仲良くなったり信頼を得たりしやすい。
逆に話を聞く際に、
・相手の目を見ない
・体を相手に向けない
・腕を組んでいる
・パソコンやスマホを触りながら聞いている
・眉をしかめている
・「それは違う」とすぐに否定する
などを無意識に行っている人は、相手にディスカウントを与えているため、仲良くなれなかったり信頼を得られなかったりする。
コミュニケーション能力が高い人とはすなわち、意識的か無意識的かは問わず、ストロークをセルフコントロールして相手に肯定的ストロークを多く与えられている人のことを言うのです。
ストロークをセルフコントロールできる人は強い。
例えばディスカウントのストロークばかり投げてくれる相手=上述したような話を聞く際の態度が悪い人相手でも、
・ちゃんと挨拶したり
・笑顔で話したり
・相手の目を見て話したり
・はっきりと大きい声でわかりやすく話したり
など、肯定的ストロークを投げ続けることができる。
そうするとディスカウントばかり投げてきた相手も、ついつい我慢できずに笑顔になったりちゃんとした言葉を返してくれるようになったりする。
ストロークには返報性の原理というものがあり、肯定的ストロークを与えられると相手も肯定的ストロークを返しやすくなり、ディスカウントを与えられるとディスカウントを返しやすくなります。
コミュニケーション能力が高い人は肯定的ストロークを周りに与えまくるため、その人の周囲の人間も肯定的ストロークを出しやすくなる、それによって更に肯定的ストロークが出やすくなる。
このようにストロークをセルフコントロールして上手く相手に肯定的ストロークを与えられるようになることが、コミュニケーション能力を高める方法なのです!
(相手に正しく物事を伝える能力は「論理的思考(ロジカル・シンキング)」といってこれとはまた別の能力になりますので、いずれ紹介したいと思います)
総評
このように『成果を生み出す組織の条件: 実践!チームマネジメント研修② 人を育て、人を活かす 実践シリーズ』には、コミュニケーション能力を高める方法が半小説形式で書かれています。
実際の研修内容を元にしているので、まるで自分が受講者の一人になったかのように楽しく学ぶことができ、かつ頭に入ってきやすいのです。
コミュニケーションに悩んでいる方は是非この本を読んで、ストロークをセルフコントロールし肯定的ストロークを周りに与えられる人になってみませんか?
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